父が死んだ

父が死んだ
長いことを姿を見せていなかったから
時間の問題だと思っていたが、
父が死んだ
 
父は偉大な人だった
父は誰にも慕われていた
 
父は若い人が好きだった
若者の心配事を聞いては
大丈夫
と声をかけるのが常であった
 
父はときに厳しく熱くなり
本気で叱ってくれた
ときには手が出ることがあったが
私はそんな父が好きだった
 
父が死んでからというもの
私は父の代わりとなる人を探した
若者に大丈夫と
声をかけてくれる大きな存在の人
 
しかしそんな人は現れないのかもしれない
時代が求めていないのかもしれない
偉大な父の存在を
 
父は死んだ