暗いスクリーンの中で

映画館で暗いスクリーンの中から映像が現れるとき、ひと昔のテレビにあった幻影のように映像が浮かび上がるときの期待感と高揚感は誰もが感じることだろうか。
 
映画はかつてニュース映画として情報を伝える媒体の役目も果たしていたという。テレビがその代わりを担い、国内から世界の情報がリアルタイムにお茶の間に届けられるようになった。やがてスマートフォンが登場しそれらの役割も取って代わったのは言うまでもなく。
 
フェイクニュースの問題。インターネットの特質である送り手の匿名性が許された自由な環境、更にスマートフォンを通じてリアルタイムにかつ大量な情報を簡単に送り、受け取ることができることは情報を伝える媒体として理想の形なのかもしれないが、フェイクニュースのような副作用も留意すべきである。
 
媒体とそれを受け取る側にはかつての暗いスクリーンの中から映像が現れるときのように1つの境目を十分に意識しておかねばならないのかもしれない。